求められる嬉しさと責任
過ぎし2019年を振り返り、これ程「求められた」一年は自分の人生の中で初めてでした。
年末は今までに無い注文の量で、夜中の日が暮れるまで仕事をしても注文頂いた蓮根を揃えるのが追い付かない程でした。
私が就農した2016年の年末は、農協以外へ出荷する荷物は無く、せいぜい友人や親戚にお歳暮として蓮根を送るくらいが関の山だったのを覚えています。
年末の繁忙期も、18時には仕事を終えてのんびりしていました。
あの頃は、(直販をするほどの実力が無かったのも事実ですが)お客様の顔が見えない中、ただただ目の前の蓮根を出荷していく作業がしんどかったのを覚えています。
先の見えない暗中模索の仕事を続けていくのが辛くて、サラリーマンをしている同級生から取り残されていくように思えて寂しかったなぁ…。
でも、そんな中でも仕事を続けてこられたのは、やっぱり人との繋がりがあったからだと思います。
特に、直販を始めたころからずっと蓮根を使ってくれている、名古屋の蕎麦処『大橋庵』は僕にとって物凄く大事な場所です。
大将に「最近は、昔ながらの糸を引く蓮根が手に入らなくなったから、直接新鮮な蓮根を仕入れられるのは有り難い。」と言って頂いたときの嬉しさは忘れられません。
それから、あえて大量生産の波には乗らず、伝統的な鍬掘りの蓮根で付加価値を追求していく戦略に踏み切ることが出来たのを覚えています。
実は年越し蕎麦を、大橋庵で手繰るのは初めて。
いつもざる蕎麦ばかりですが、かけ蕎麦も美味しかったです!!
これからも、お客様に恩返しが出来るよう、精一杯農業に打ち込んでいきます。