蓮園ブログ

人生に寄り添う農業

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経営理念を持って農業をする必要性とは

5月も下旬を迎え、株式会社田島蓮園を設立して最初の決算を迎えようとしています、社長の田島寛也です。会社を始めてから約1年が経過した節目として、弊社の経営理念を考え直しています。というのも、この1年間でブランド化ツールの導入、直販取引の増加、農業体験ツアーの催行、加工部門の立ち上げ…などなど、様々な変化に恵まれました(お陰様で体調も随分と崩しました…笑)。そういった変化を経て、自社の目指す方向性を改める必要があると考えた訳です。

 

 そもそも『経営理念』とは、「企業経営における基本的な価値観・精神・信念あるいは行動基準を表明したもの」と広辞苑に定義されています。簡単に言えば、「何のために経営を行うかという目的」です。

ちなみに、私の所属している「愛知中小企業家同友会」では、『経営指針書』という「経営理念」、「ビジョン」、「経営計画」をまとめた冊子を作成することを推奨されています。意識の高い経営者が集まる団体でも、経営指針書を保有している企業の割合は33.4%(2016年度調査)に収まっています。逆に言えば経営指針を持っていれば、かなり意識の高い企業と認識されるのではないでしょうか。

 

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出典(http://www.douyukai.or.jp/company-raise/2016/0204-093816.html

 

 経営者が経営理念を定め、社内外に向けて発信することが必要な理由は、いくつかあります。

  1. 経営の軸を作ることが出来る

企業の根本的な価値観を示すことで、「何のために経営をしているのか」という軸を作ることが出来ます。そのため、経営課題に対する判断の基準を明確にすることが出来ます。

  1. 企業の社会的存在意義が明確になる

企業が事業を行い、どのように社会に貢献していくかを発信することが出来ます。消費者の価値観が多様化した現代においては、自社の立ち位置を明確にし、消費者と共感し合える関係を築く第一歩となります。

  1. 経営者と社員の共通の価値観が作られる

雇用者である経営者と、被雇用者である社員の間には価値観の相違があります。そのため、両者が共通の目的を目指して一丸となって働けるように、経営理念を定めることで労使相互の想いを重ねることが出来ます。

 

 しかし、家族経営が主体で経営とは距離が遠そうな「農業」という分野に、経営理念は必要なのでしょうか?答えは紛れもなくYESです。その理由は、農業という業界は長期的な視点で正しい価値観を示していく必要があるからです。

実際に3年間農業経営をしてみて思うことは、理念が無いと日々繰り返される作業のしんどさに潰されてしまうということ。数年がかりの長い時間軸で事業を行う農業では、何のために仕事を続け、社会のどのような場面で必要とされ、誰の役に立っているか分からなければ、とても高いモチベーションを維持していけません。

目的意識が無く、同じようなしんどい作業を繰り返すだけの仕事は、誰にとっても辛いはずです。そのため、例え家族だけで農業をしている場合であっても、一緒に働いてくれる家族のため、そして自社の農作物を必要としてくれる取引先のためにも、経営理念は作成するべきなんです!

 

 さて、前置きが長くなりましたが、田島蓮園の新しい経営理念は以下の通りです。

この理念と共に、来期も農業を通じて豊かな人生を育んでいきます!

 

・経営理念:

『人生に寄り添う農業』

 

・何のために経営をしているか:

関わる人の側に寄り添い、人生を豊かなものにするため

 

・社会的存在意義:

  1. 農業を未来へ繋ぐ担い手を育てること
  2. 農業が生み出す新しい価値を追求すること
  3. 農業で利益を最大化し経営を発展させること
  4. 農業と食を繋ぐ架け橋となり、関わる人を増やすこと

 

・社員に対する基本姿勢:

 信頼し、補い合う、会社にとって最も大切なパートナー